「本はなんの役にたつ?」
「本は、夢を実現させるのに役だつ!」
舞台は1900年代初頭のパリ。
孤児院がつらくて逃げだしたマックスは、通行人の財布を盗んで小さな仲間たちと廃墟で暮らしていた。
警察から追われるマックスは、香水屋の娘デジレの発案で、7年前に閉店した小さな本屋に逃げこむ。
だが、無人と思われていたこのデュポン書店には、なにやら人の気配が……。
一方、通りの向かいには、客の好みを無視して売りたい本を押し売りする大書店が出現。その店のオーナーは、本を愛する街の人たちでにぎわうデュポン書店を敵視して、あれやこれやと意地悪をしかけてきた。
今度こそ本当の閉店の危機におちいったデュポン書店。はたして小さな本屋の運命はいかに?!
マックスとデジレと仲間たちの荒唐無稽な大作戦がはじまる!
【編集部より】
イタリアで活躍する作家が描く、ドキドキと感動の冒険小説。孤児院を逃げだした少年マックスと、12歳の少女デジレの二人が主人公。本と本屋さんへの愛とともに、人間のやさしさや正義・公正さへの愛もジワリと伝わってくる秀作。挿絵のイラストも魅力的で想像力をふくらませてくれます。小学3・4年生以上、大人まで楽しめる物語。イタリアでは版を重ねる人気のロングセラーです。 |
|
|
|
〈著者ら略歴〉
著者 ファブリーツィオ・アルティエーリ(Fabrizio Altieri)
1965年、イタリア・トスカーナ州の都市ピサに生まれる。
エンジニア、工業高等技術専門学校の講師を経て作家に。2006年より子ども向けに書くようになり、これまでに多くの作品を出版している。ナチスの手から逃れるためダウン症の妹をつれて連合軍が駐屯するピサを目指して旅する様子を描いた『Ridere
come gli uomini(「男たちのように笑う」)』(2018年、未邦訳)が、2019年IBBYバリアフリー児童図書に選ばれた。
本書は、著者の初の邦訳作品になる。
イラスト クラウディア・ペトラッツィ(Claudia Petrazzi)
1985年、イタリア・トスカーナ州のアレッツォ県に生まれる。
大学で舞台美術を学んだあと、ミラノのスタジオ・ユサキで、クレイアニメのアニメーターとして働くと同時に、子どもむけの本のイラストを描きはじめる。現在イラストレーター・漫画家として活動している。『頭のなかには何がある? 脳をめぐる15の疑問』(ピエルドメニコ・バッカラリオ、フェデリコ・タッディア著、ルカ・ボンファンティ監修、有北雅彦訳、太郎次郎社エディタス)にイラストを寄せている。
訳者 よしとみ あや
イタリア語講師・翻訳者。大阪外国語大学大学院イタリア語学専攻修了。
訳書に『やあ、アンドレア――ある「父と子」の風景』(マルチェッロ・アルジッリ作)、『ラウラの日記』(ロベルト・ピウミーニ作、以上さ・え・ら書房)、『空にうかんだ大きなケーキ』(ジャンニ・ロダーリ作、長野徹監修、汐文社)、『グリム童話 しらゆきひめ』(ロベルト・ピウミーニ文、アンナ・ラウラ・カントーネ絵、関口英子監修 西村書店)、『わたしは あなたは ベアトリーチェがアジザの、アジザがベアトリーチェの伝記を書く話』(ジューズィ・クアレンギ作、解放出版社)がある。
(本書刊行時点)
|
|