サツマイモ、国連湯(≒プデチゲ)、インスタントラーメン、トッポッキ、フライドチキン――
1950年の朝鮮戦争下、戦後の混乱の渦中、独裁政権下の経済成長期、民主化闘争の波、1990年代のIMF金融危機……それぞれの困難な時代に韓国の人びとの「底力」になった〝食べもの〟をめぐる5篇のYA。
甘くて辛くて、少し苦くてしょっぱい韓国の〝おいしい〟物語。
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〈著者ら略歴〉
著者 キム ソヨン(金昭妍)
1972年ソウル生まれ。児童・青少年文学作家。
「今日は昨日の鏡で明日の鳥観図」と信じ、歴史に学びつつ過去現在未来のつながりを模索している。目のまえで展開する気候変動の問題や人工知能がもたらす時代の転換を見守りつつ、多くの危機を克服してきた朝鮮半島の歴史をふりかえる作業をおこなっている。
2005年、中篇「花ぐつ」で月刊『オリニトンサン』童話公募・最優秀賞受賞。07年、出版社チャンビの「すぐれた子どもの本」公募でYA小説『ミョンヘ』(2021年に影書房より邦訳出版)が創作部門大賞を受賞。ソウル文化財団、京畿文化財団支援芸術人に選定された。
最近出版された本に『特異点』、「ヘル朝鮮の遠征隊」シリーズなどと、共著『隔離された子ども』などがある。
訳者 下橋 美和(しもはし みわ)
1971年京都生まれ。現在、京都大学、同志社大学非常勤講師(日本語)。登録日本語教員。
3年間の韓国滞在から帰国した1997年からオリニほんやく会(韓国児童文学の翻訳会、主宰・仲村修)に参加。
大阪外国語大学(現・大阪大学)言語社会研究科国際言語社会専攻、日本コース博士前期課程修了。修士(言語文化学)。
訳著に『あの夏のソウル』(イ ヒョン著、影書房)、共編・訳著に『鬼神のすむ家』、『愛の韓国童話集』、『日本が出てくる韓国童話集』(以上、素人社)ほか。
(本書刊行時点)
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